Column

社長の一石

2015. 7月

大きな成長も【微差】の積み重ねから その1

最近、日本の良さや強みを再度見直そうという動きや論調を見聞きします。

好調な経済指標も増えて、求人倍率も上がり人材不足感が出始めたきた中で 日本人の特質が生かされた商品やサービスが脚光を浴びるのは良い流れです。

 

そういった日本の良さや強みを企業活動に当てはめて考えてみると、その源泉は 「現場力」だと思いますが、それを支えているのは、極め細やかさであったり小さなことをコツコツと積み上げてきた技能であって、一言で表現するなら【微差】になると思います。聞きなれない言葉ですが一緒に考えてみましょう。

 

少しでもいいから工夫しよう、何か新しいことをプラスしてみよう、そういう 毎日の積み重ねが【微差】であり、社員一人ひとりもそうですし、職場というチーム、そして会社全体の独自技能や企業風土まで【微差】が造り上げていて身体全体を構成する細胞を動かすエンジンみたいなものだと私は考えます。

 

以前朝礼などで話題にさせて貰ったTV番組「めざせ!2020年のオリンピアン」。

オリンピック種目で将来を期待される中高生に密着取材して、過去のオリンピック出場選手から指導を受ける内容ですが、その先輩のちょっとしたアドバイスで、弱点や苦手な部分がみるみるうちに改善されて上達するのを目の当たりにできて面白いです。

今まで積み上げた微差に新たな【微差】が加わり、成長の階段を登るその瞬間に見惚れます。

 

もう1つTV番組を。「和風総本家」では、メイドインジャパンの道具や製品を作っている人達の現場とそれを海外で毎日愛用している人達とを映像で結んで、製作風景や感謝のメッセージの交換しているのが感動的でとても良いです。

作る人も使う人もこだわっているのが、他の商品では味わうことができない機能や質感であり、各製作工程で追及してきた【微差】の集積がそれを可能にしています。

 

TV番組の宣伝になってしまいましたが(実際お勧めです(^^))、強調したいのは、どんな素晴らしい技術やノウハウも一朝一夕で出来上がるのではなく、そこに長年留まって【微差】を積み重ねていくことでできあがると言うことです。

日毎には本当に微差のため、ただ毎日同じことを繰り返すだけの様に思えるのですが、一歩でも前へ進もうと言う「意欲や姿勢」によって歴然たる差が生まれてくると思います。

 

(来月につづく)

 

2015年7月