Column

社長の一石

2017. 1月

時代が大きく変わります

世界の経済的な問題を今までは「市場」や「金融」で解決しようとしたけれども、どうも上手く行かないので、いよいよ「政治」の出番になってしまった、そんな風に思います。

 

広がり過ぎた格差をどう埋めていくかが、根底にある大きな課題の様ですがEUから離脱する英国のブレグジットと、グローバル主義から逃避しようとする米国のアメリグジット(!?)が、目の前で起こっている典型的な事例です。

 

逃げるのは恥だが役に立つ、のはドラマの世界だけではないようですね(笑)

 

そういった時代の流れを「価値観の変化」として考えると、行き過ぎたグローバリズム、つまり自由貿易や自由競争なら過当でも良しとする今までの考え方を修正して、必要な部分には一定の線引きをして、その環境を守っていく保護主義的な考え方を優先する、そんな風な世界にこれから変わっていくと想像します。

 

ただその様な変化が今後どんな形でどこまで進むのか、全く見当もつきません。

どんな保護主義的な政策が取られるのか、経済環境がどうな風に変わっていくのかは、国や地域により千差万別で、その時その時のニュースで私達は知ることになると思いますが、あまり一喜一憂したくないものです。

 

そのためには、そういった潮流を真っ向から否定して考えるのではなく、身の回りで起こっている保護主義的な流れの「良い面」を見出していくことが大切だと思います。

保護主義にもいろいろあるので、良い保護主義に焦点を合わせていくと言う訳です。

 

例えば、日本で慢性化しつつある「人手不足」については、女性活用や高齢者活用し正社員化と言う流れで労働環境が変化しています。またそれを補填するような形で「労働(時間)のあり方」や「働きやすい環境づくり」などが、最近クローズアップされていますが、その良い潮流の1つだと思いますが如何でしょう。

 

我々の石屋業界でも、ものづくりの工場や石職人の「担い手の育成」が急務ですが、若い世代の人達の雇用と育成についても、やはり保護的な視点でのサポートがないと、なかなか実現できないのではないかと思います。

できるところから、コツコツとやっていきたいと思います。

 

長年呪文の様に唱えられてきた「グローバル経済」は、今や私たちの常識として頭の中に叩き込まれていますし、進化するネット環境やIT技術の中で、グローバル化は今も実際に進んでいる訳ですが、それが万能ではない事が分かってきた中で、今後どうやって補っていくか、人類の知恵が試される時代だと思います。

 

2017年1月