Column

社長の一石

2017. 2月

石屋冥利につきる仕事

ちょうど今、工場では大きな原石を(高さ4m幅も2.5mほど)使ったモニュメントの制作に取りかかっています。

 

普段は建築用が多いので、ビルの壁や床に貼る2~3cmに切断した板石を扱う事が多い訳ですが、公共施設の敷地内に置く石の彫刻とか、先人を偲んだり偉業を讃えた文章などを掘り込んだ記念碑の注文をいただく事もあります。

今回は久しぶりに大きな原石を扱った仕事ですので、石屋としてやりがいがあります。

 

そう言えば最近は、歴史的な建物を解体する時に、石の壁材や床材を取っておいて後で復元したり、加工し直して新しいビルに再現する時の相談が増えましたし、実際に預かって保管させていただくプロジェクトも増えました。

 

昨年末から始まったプロジェクトでは、解体した石が1ピース100㎏前後もあり、その数は1,000個を超えるもので、この後の復元工事もまた石屋冥利につきる仕事です。

 

考えてみると古くから石は、墓石や寺社仏閣の建築資材として使われていて、ご先祖様を偲んだり、家族の健康や安全を祈ったりする時に身近にある素材です。

家族や大切な人達と気持ちをつないでいくパートナーとして、また悠久の時を経てもそれに耐えうる自然の結晶として、石は今後も選ばれていく素材なのだと思います。

 

1つ1つのプロジェクトには、其々携わっている方達の思いがある訳ですから、その思いや期待に応えられるよう、持っている技術を活かし、各工程での責任を果たして、完成した時にお客様に喜んでいただけるよう努力していきましょう。

 

2017年2月