Column

社長の一石

2020. 4月

コロナ禍と中国製品の検査

コロナ禍が終息するに、2~3年かかりそうだと言う報道を耳にする様になりました。
つまり「自粛」と「緩和」を繰り返す事になるだろうと言う予測です。医療崩壊を
防ぎながら重篤者や死亡者を少しでも減らす為にはやむを得ないかもしれません。

 

過去の歴史から伝染病が終息する迄に社会の「集団免疫」ができあがる必要がある様です。
「抗体」を持つ人の割合が一定数になるまで感染リスクが続くと言う事です。その一定数
の人達とは、感染して抗体を獲得したか、ワクチン接種で獲得したか、のどちらかです。

 

とすれば、オリンピックで観光立国を目指す日本は、海外から観光客が来ても感染の
不安がなく、安心して対応できる事が必要ですから「集団免疫」の獲得は必須と言えます。

 

日本でも既に「感染検査」だけでなく「抗体検査」も採用されつつあります。
感染していたけど気づかないまま軽症で済んで、抗体検査をしたら抗体を持っていた。
そんな人が大勢いて、良かった!となりますように、と祈るばかりです。

 

さて、話題をコロナの石材業界への影響に移します。石製品の調達先として中国が
メインになって、かれこれ30年経ちますが、その流れに大きな影響はなさそうです。
他の業界と比べると回復は早く、4月には遅れなく中国から製品が入り始めました。

 

ただ、品質や出来栄えの確保の為に ( 石は色目や模様などを揃える事が特に大切 )
お客様と中国へ検査に行くのが、業界の慣例になっていましたが、それが今は
できません。品質のリモートコントロール、これが当面の課題になってきました。

 

中国のアモイ事務所では、所長以下現地検査員5名が、今も各提携工場に赴いて
自主検査を行なっていますが、4月からその検査報告内容の密度を上げました。
事前に品質懸念される指摘箇所を増やしチェックした結果の写真数も増やしました。
お客様に報告を求められた場合は、その報告書が活きてくると思います。

 

尚、今後国内の自粛が緩和されていく中では、中国製品をこの関ケ原本社工場に運び入れ
お客様にここで検査を行なっていただく事も進めていきます。プロジェクトによっては、
関ケ原加工の製品もあるので、両製品の検査を同時に行なう事が可能になります。
オープンして間もない Antolini ギャラリーにご案内できるチャンスにもなりますね。

 

また、テレワークを一部導入し始めた流れで、中国とのリモート検査の実施も
取り組み始めます。以前トライした時には、映像の乱れがあったと聞きました。
今は5Gの時代ですからそういう新技術を取り入れて、リアルな画面で検査が
できる様にしていきたいと思います。

 

4月に発表した様に、今だからこそできることを深堀りしていくのが、今期経営方針です。

 

2020年4月