Column

社長の一石

2017. 5月

東京で再開発が進む理由

私達の石工事に大きく関わりのある日本経済新聞記事があったので紹介します。

風が吹くと桶谷が儲かる的な間接的な話ではありますが。

 

東京の再開発予定が目白押しで、2020年以降もいろいろなプロジェクトが(8棟もある常盤橋再開発が代表例ですが)計画されています。

よくこんなに継続して沢山のビルを建てることができるものだな、と以前から不思議に思っていましたがその謎が解けました。

 

記事の見出しは、「REIT市場30兆円目標、大手行以外の資金」となっています。

REIT(リート)とは投資家から集めた資金を不動産に投資し、その収益を投資家に分配する投資信託の一つで、皆さんの中にも買っている人がいるかもしれません。

 

再開発ビルをなど建てる投資会社(デベロッパーや金融会社)を中心にいくつかの不動産物件をベースとしたファンドであり、ビル完成後のテナント家賃から分配金が支払われていますから、REITを買っている人は間接的に建てたビルの大屋さんの一人と言えます。

 

政府は、そのREITを今の16兆円から倍の30兆円規模までにする目標を掲げているため、それに向けた支援政策が取られていくので、投資物件である不動産が増える、つまり再開発ビル計画が増える、とつながっていく訳です。

日本政府の1年間の税収が40兆円と聞きますから、凄い規模ですね。

 

この記事では、そういった投資会社が再開発ビルを建てて回収するまでに莫大の資金が必要で、それに融資する会社を従来の大手銀行だけでなく、証券化することで、地銀や年金といった新たな資金の出し手を増やす手法が始まったと説明しています。

 

日銀のマイナス金利政策で、投資する運用先に困っている金融機関が多い中でそれなりの金利(分配金)が期待されるREITが投資先(融資先)になっていくと言う記事に、なるほどと思った次第です。

 

大型の再開発ビルは、設備や入居するショップも新しくなり、容積率が緩和されることで以前あったビルより床面積も増えて、家賃もリーズブルな設定でも採算が合うのでテナントにとっても事業会社にとっても魅力的なものと言えると思います。

 

再開発計画は、東京ほどではなくても他の都市でも計画はありますし、そこには大理石やミカゲ石が使われる可能性は高いので、期待をもって営業活動をしていきましょう。

リート風が吹くと石屋が儲かる、と良いですね。

 

2017年5月