Column

社長の一石

2015. 4月

65期方針:3年目のミッション、伝える工夫

弊社設立65年目の新しい年が始まりました。そうです65期です。

諸先輩や私達自身が築きあげてきたこの長年の歴史の上に、新たに加わわる若い世代の人達と共に築く未来。 今期も良い年にしていきましょう。

 

ミッションも3年目になりますが、今年も職場のミッションを大きく掲げて進みますので、新年度に当たり再点検をして進めて下さい。

 

尚、新年度にあたり、弊社関ヶ原石材の経営戦略について改めて説明したいと思います。

 

建築石材業として大理石やミカゲ石の「素材感を味わっていただく」ことをミッションに原材料輸入、ものづくり、そして施工まで一貫した「独自の石屋としての型」を守りながら大きく2つのベクトルを持って進んでいます。その2つとは【裾野拡大】と【川上強化】です。

この十年程この考え方に沿って、我々が持っている強みを活かそうと進めてきました。

この戦略そのものは変わりませんが、今期は今期で注力すべき課題があります。

 

【裾野拡大】

 

山に例えると、高くそびえ立つ峰々が本業の石工事業であり、その裾野として本業をしっかりと支えている商社事業やリニューアル事業、そして、コーティングや仕上などの付加価値的な商品や技術がその外へと広がっています。

富士山を見ると、本当にきれいで純白な高嶺と雄大な曲線の裾野をもっていますが、正にあの様な盤石な山が理想のイメージで、そう言う企業にしていきたいです。

 

ここ数年コーティングや新仕上開発を進めてきましたが、それに加えて、今期は「石種開発」に力を入れていきます。この開発の意味は、まだ施工例のない新しい石種を世界中から探してくると意味でもありますが「石の事をまだよく知らないお客様に対しての開発」と言った営業的な意味も含めての「石種開発」であると強調しておきます。

法人のお客様だけでなく、エンド法人ユーザー、エンドユーザーを含めてです。

つまり、石種も、お客様も、その裾野も広げると言う事です。

 

【川上強化】

 

以前から石情報発信や付加価値提案を「川上のお客様」に対して行なっている訳ですが、今期は【社内での川上も含め】部門間の連携をしっかり行ないたいと思います。

部門間で情報が途切れることなくお客様に喜ばれる情報をダイレクトにお届けしましょう。

 

この四半世紀を振り返ってみると、予算重視の建設業界にあって、我々のライバルが同業他社を通り越して、石以外の安価な「他の素材」になってしまいました。

その結果、若い世代のお客様が石と言う建築素材を殆ど認識していない、と言う現実を招いています。長期間のこの影響は本当に大きいですね。

 

そういった逆風の中で、知恵を絞ってた生まれたのが「お客様への石の勉強会」です。

先般、その勉強会の開催が通算100回目を記録し、参加述べ人数も1,300人を超えました。

5年間の象徴的な成果と言えますが、今後も顧客の若い世代の方達に石と言う素材をもっと知って頂いて、もっと使って頂くために情報発信力や提案力の強化を前期以上にしていきましょう。

 

先般、東京の住宅展示場で大理石工事があったので、竣工後見に行ってきました。

住宅の限られた空間の中で石の持つ圧倒的な存在感が出ていて、本当に魅力的でした。

そこで感じたのは、この素晴らしさや素材感の良い石がある事をご存じのないお客様が世の中にまだまだ沢山おられるし、そこに我々のチャンスややりがいがある、と言うことです。

 

また最近、石の事はよくご存じのお施主様でしたが「他の材料にしたけど、長い目で見てやはり床に石を敷いておけば良かった」と言った話を伺う機会もありました。

予算と言う大きな壁があるとは言え、我々の努力すべき余地はまだまだあるのです。

我々は建築石材のプロですから、プロとして自信をもってこの1年進んで行きましょう。

 

2015年4月