Column

社長の一石

2019. 9月

サンプルも現物一見に如かず

ここ数年、できるだけ沢山のお客様にこの本社工場に来ていただこう、と来場数の目標を決めて、勧誘や案内に力を入れています。当初、年間1,000人の目標からスタートしましたが、それが増えてきてようやく今年度は、1,800人の目標です。実績としては、この9月に入り800人を超えましたからまずまずの進捗です。

 

なぜ来場を重視するのかと言うと、カタログの「紙」とかネットを見る「液晶」は有力な媒体ですが、石の魅力や素材感を味わっていただくには限界があるからです。

 

お客様に魅力をダイレクトに伝える時代になってきている中で、紙や液晶と本物のギャップを埋める必要が出てきている事が背景にあると考えます。

 

大きな原石や板を前にして直に触れたり、結晶や仕上げの素材感を眺めて感じるには何と言っても、豊富な原材料があるこのセキガハラに来ていただくのが一番です。

 

イメージに通りの色柄・仕上げかどうか確認するには、やはり現物を直に見ていただくしかないので、ご来場ニーズはこれからも広がると思います。

 

 

石は重いので、サンプルは薄くした葉書サイズのを提出するのが業界の慣例です。どの石にするか最初の段階では、その小さなサンプルで検討いただくのですがそれでは不十分で早く挽板を見ていただいた方が良いケースが増えています。

 

理由の1つとして、「石の割り付けも、できれば1枚もので」と壁やカウンターなどで、大型パネル化したデザインが好まれている事が挙げられます。小さなサンプルでは、デザインしたい全体のイメージがつかみ難いのです。

 

また、石は天然なものなので、採掘された場所によって石の地色や模様が変わるのでサンプルと実際に使用する材料とで色柄が異なるケースはよくあるのですが、納期の短い住宅や内装工事では、イメージ通りの在庫があるかどうかが決め手になってきています。納期に余裕のある大型工事ならば、海外から新たに仕入れることは勿論可能ですが。

 

 

本来であれば、私たちがお客様の所に大きな板を持って行って、ご覧いただきたいですが逆に、お客様に来ていただいている状況については、とても有難いことだと思います。その分、見に来て良かったと思っていただける提案をしていかなければなりませんね。

 

尚、今はバーチャルな世界を利用してお客様の感性にダイレクトに伝えてビジネスをしていく時代です。ネットを介して実際に使用する挽板をリアルに見ていただける、トリミングしてブックマッチさせた映像情報をお客様にお届けできる、そんなシステムを我々は将来に向けて創っていくべきだと思います。

 

 

2019年 9月