石の結晶と技術開発

大理石や花崗岩は、無機質な素材ですが、その表情は有機的なものですね。
硬い結晶で出来ているのに柔らかさがあって、その相矛盾しそうな性格が同居しているところに
石の素材としての魅力があるのだと思いますが、この頃この石の「硬さ」とか「結晶」について考える事があります。

建築用に限らず、焼き物であるセラミックやレンガなど、最近は石よりもずっと硬い新素材が開発され、その硬度が
どんどん上がってきている様に思います。
グループ会社の関ヶ原イーテックでは、そんな新素材の研磨も行っているのですが、石ってそれ程硬くないのでは?
と感じるようになりました。

この業界に入ってもうすぐ30年経ちますが、私の中では石の硬さのイメージが入社した時と今とでは変わってきて
いるのですが、皆さんは如何ですか?

さて、石屋の世界では石の代表的な仕上げとして、ピカピカに磨いた「本磨き」と強い火力で粗く仕上げる
「ジェットバーナー仕上」の2種類があります。

「本磨き」については、ピカピカに艶を出すよりも、マットな仕上りが良いと言う事で、ここのところ最後の艶出しの前に
研磨をやめてしまう「水磨き」とか、なめし革の肌合いをもたせた「レザー仕上」の方に人気が移ってきています。

一方、石の粗面仕上としては「ジェットバーナー仕上」が代表格ですが、大理石は出来ず、花崗岩に限られますし、
最近は「スプリットフェース」とか「割肌」等の「もっと粗い肌合い」を求められるケースが増えてきました。
ただ、それらは大きなサイズだと石は厚く重くなるし、石厚を薄くしようと思うと小さなサイズしか加工が出来ないので
一長一短です。
「割肌」の場合、石厚を薄く割るという技術的な課題が残っています。

石の粗面仕上げをゼロから開発しようとした時、石の「結晶をそのまま」残すイメージが大事な様に思います。
「割る」というキーワードからの粗面加工も良いけれども、「剥ぐ」と言うキーワードで、その加工技術を開発したらどうか?
キーワードを変えることで、開発の視点も変わって、無垢な石の結晶をそのまま表出させる魅力的な仕上げ開発の
糸口にならないか?そう考えます。

冒頭にお話しした、石もそれ程硬くない、と言える位に技術力が高まってきている時代ですから
「剥がれる」イメージでの新しい仕上の創造がきっとできるはずです。
実はこの春に、開発部門にその新仕上の開発をお願いをしていて、その経過を見守っているのですが
将来その仕上りが出来上がって見た時、きっと目から鱗が落ちるどころではなく「剥がれる」でしょうね。

     2013年 葉月

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